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コントラバス用マイクの製作 その2

Update : 2017/8/4

以前に作成した、ECMを使用したコントラバス用マイク
なかなか面白かったので、今度はマイクの取り付け方を変更してみました。


回路
回路図 周波数特性

今回は使用するトランジスタも変更してみました。 オン・セミコンダクターの「2N3904」です。 元はFairchildですな。

hfeが異なるので、バイアス抵抗を変更しています。 周波数特性も問題ないですね。

ケース
ケース

前回と同じく100均で購入したケースです。 表面に印刷された文字が異なります(笑)。

基板
基板

8Pの平ラグ板にサクッと部品を実装しました。 前回と微妙に部品レイアウトが異なります(笑)。

組み上がり
組み付け

ケースに穴あけを行い、電池ケースやボリューム、ジャック、そして組み立てた基板を組み付け、最後に半田付けして組み上がりです。

出力ジャックと電池ケースの位置が近すぎて干渉してしまいましたが、電池スナップを1P品2個使う事によって何とか解決しました。 また、今回はマイクもジャックで取り外し可能にしました。 が、これが後々問題に...

自作MSP
マグネット

マイクをどうやってボディーに固定するか... クリップで挟むとか、以前みたいにf孔にゴムを挟んでそこで密着させるとか... で、思い出したのが123sound.jpの「MSP(マグネットサンドイッチドピックアップ)」。 と言う事で、さっそくD.I.Y.なお店で強力マグネットを購入。

ボディーに傷をつけないようにシールタイプの丸型クッションをマグネットに貼り、どのくらいの吸着力になるか試してみました。 うーん、素では強力だと思ったのですが、板やクッションの厚みの分、吸着力が弱まっています。

自作MSP3号機 自作MSP3号機

さてどうしようかとネットを徘徊(笑)。 マグファインというショップからネオジム磁石を購入してみました。

ポチッとしてすぐに到着したのですが流石にネオジ、笑えるくらいに強力です(笑)。 これを使ってMSPを自作してみました。 ドーナツ型なのは真ん中にエレクトレットコンデンサマイク(ECM)を取り付けるためで、 ECMの径と磁石の内径がちょうど良い感じです。 また、万が一磁石をボディーの中に落とすと大変なので、磁石どおしをタコ糸で結んでおきました。 タコ糸の白色が素敵です(笑)。

マイクの出力に電源を重畳する必要がありますが、それはピンジャックの中に抵抗を仕込んでいます。

逆付け
逆付け 逆付け

いよいよ電源投入。 無事音が出たので、さっそくコントラバスに取り付けて出力を録音してみると... あれ、波形の上側がクリップしてる...

おっかしいなぁと回路や基板を見直すと... なんとトランジスタを逆付してました。 あぅぅ... と言う事で直して再び音だしすると... 今度はブーン、というハム音のみしか出ない...

なんでーともう一度基板を確認すると... マイクバイアス用電源ラインの抵抗の片足がきちんと半田付けできていなく、浮いてました。 と言う事で修正。

三度目の正直、と言う事で無事に音が出ました。 しかしまぁ、ミスが多いなぁ。 ちなみにトランジスタ逆付けでシミュレーションしてみると、録音した波形と同じように上側がクリップした波形になりました。 これまたビックリ、という感じです。

低域カット
C1を1uFへ変更

なにはともあれ、音の評価をしてみました。 ボディーに密着しているせいか、モコモコした感じです。 また、ボリュームは最小でも十分な音量です。

録音した音をEQでイロイロ試してみた結果、やはり低域を少しカットした方がすっきりとした音、という感じで良さそうです。 と言う事で低域を少しカットするために、マイクからの信号のカップリングコンデンサ、C1を33uFから1uFへ変更しました。 緑色のスリーブが美しいです(笑)。

ボディーへの固定はネオジム磁石の強力な吸着力で安定しています。

自作MSPのケース
自作MSP3号機 自作MSP3号機 自作MSP3号機

自作MSPですが、剥き出しなのでケースを作ってみました。 材料は無印良品で購入した円筒型の小型ケースと、ネオジを購入した時、磁石と磁石の間にはさんであったスペーサです。

円筒型ケースは蓋だけ使用し、ケーブルとタコ糸が出る部分をやすりで削ります。 スペーサもケーブルとタコ糸が通る部分の溝をやすりで削ります。 でもって、スーパーXでギュギュっと接着して完成。

ちょっとスケルトンでなかなか良い感じになりました。

定数変更&ミス発覚!
定数変更 定数変更

引き続き評価していましたが、どうも録音した波形が変。 回路の各ポイントのDCバイアスを確認すると... うわーボリュームが1KΩのところ、10KΩがついていた... 何たるミス。

さらに、マイクをジャックで取り外し可能にしましたこのジャックが非絶縁タイプ。 出力プラグが挿入されている時だけグランドが接続され、電源Onになるようにしていたのですが、ここの導通があるから常時Onやん...

と言う事で、急ぎ、絶縁タイプのジャックとボリュームを購入して変更。 さらにシミュレーションでベース抵抗を大きくする方がマージンが稼げるので合わせて変更。 ベース抵抗は680KΩにしました。

しかしまぁびっくりしたなぁ、もう。 まぁ自分の不注意だけど。

完成!
3号機FFT結果最終

左グラフは自作MSPの最終評価の結果で、Lchを今回製作したマイク、Rchを現在愛用している「Fishman Full Circle Upright Bass Pickup」として同時に録音した音をFFTしてみた結果です。 青色のグラフが今回製作したマイク、オレンジ色のがFull Circleです。

Full Circleより今回製作したマイクの方が低域がありますが、高域はちょっと劣ります。 ですが、最初のようなモコモコ感はあまり感じませんでした。

完成

と言う事で完成です!

しかし何と言うか、前回の製作でも思ったのですが、マイクで音を拾う方が生々しい感じがします。 と言う事で大変自己満足(笑)した製作でした!


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