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Sadowskyアンプを中心とした音楽環境

Update : 2011/12/22

Sadowskyのヘッドフォンアンプ、RSD-1。
小型で便利なのだが、ベース入力にブーンとハム音がのる、という致命的な問題が(笑)。
ケーブルのグランドをシャーシに落とすと解消するので、壊すこと覚悟で分解していじってみました。
さらに、シーケンサーやポータブルCDプレイヤーを接続、PCで録音できるように、と音楽環境を整えてみました。


ヘッドフォンアンプの分解
RSD-1 RSD-1 RSD-1 RSD-1

小型のアンプですが、外部入力が2つ、チューナ出力もあり、D.I.出力はPreEQとPostEQの切り替えも可能、という優れものなのだが... ベース入力にブーンとハム音が...

さっそく分解。 サイドのネジを外してトップカバーを外し、ボリュームつまみ、ナット、ワッシャを外してっと。 最後に中のコネクタを外して無事基板が出てきました。

ちなみに改造はもちろんの事、分解等を行ってもメーカの保証を受けられなくなる可能性があるので、良い子は真似しないでくださいね。

ベース入力端子にコンデンサ
RSD-1

ハム音はケーブルのグランドをシャーシに落とすと解消する事が分かっているので、グランドの問題かなと。 という事で、ベースの入力ジャックのグランドを1000pFのセラコンでシャーシに落とすことに。

コンデンサの片方のリードをグランドに半田付け。 もう片方にはラグ金具をつけて、トップカバーと共締めをする事に。 また、コンデンサは接着剤で固めておきました。

グランド強化
RSD-1

せっかく分解したのでパターンをじっくり眺めていたのですが、一箇所、グランドが細い箇所が。 うーん、どうしても気になる。 という事で、太めの線で強化しておきました。 ここも接着剤をブチュっとな。

再び組み立て後、動作確認。 無事ハム音は消えてなくなりました。

音楽環境の構想
構想

さて、アンプの改造が終わったので、どのような環境にするか、と構想。

まず、AUX1入力端子に私が初めて購入した某社製品(笑)のシーケンサー「QY-10」を接続。 まだ現役ですよ(笑)。 AUX2入力端子にはポータブルCDプレイヤーを接続。 で、出力は録音できるようにPCのラインイン端子に接続します。

ここで問題が3つ。

1.
端子がモノジャック、ステレオジャック、さらにはミニジャックだったりとバラバラ。
2.
ポータブルCDプレイヤーはどうも充電回路が壊れているのか電池に充電できないのと、ACアダプタのケーブルが断線しかかっていたり。
3.
ヘッドフォンアンプからの出力がちょっと小さい。

さて、一つ一つ、解決していきましょうか(笑)。

ケーブル
ケーブル

まずはケーブル。 仕様は、シーケンサとヘッドフォンアンプ接続用はステレオミニプラグとステレオプラグ。 CDプレーヤーとヘッドフォンアンプ接続用はちょっと変わっていて、ステレオミニプラグから二股に別れ、Lch、Rchのモノラルプラグ。

行きつけの電気屋さんでステレオプラグ1個とモノラルプラグ2個を購入。 ステレオミニプラグは余っていたのを半分に切り、1本はステレオプラグを半田付け。 もう一本はモノラルプラグ2個を半田付け。

これは簡単でした。 この他、電源接続用のケーブルも作成しました。

CDプレーヤーの電源 その1
シガーソケット シガーソケット

ポータブルCDプレーヤーの電源は、単純に考えればACアダプタを購入する、ですが、それでは面白くない(笑)。 テーブルタップもACアダプタだらけにもなるので。 ということで、シーケンサーと共用する事にしました。

シーケンサーのACアダプタの出力は9〜12V。 CDプレーヤーは4.5V。 ということで12Vから4.5Vに降圧が必要です。

降圧と言えば3端子レギュレータかDC/DCコンバータか、ですが、便利な世の中になりました。 なんと105円でDC/DCコンバータユニットが手に入ります。 上側の写真がそれで、シガーソケットからUSBへ給電するアダプタです。

早速購入、早速分解(笑)。 バキっとやって、基板が出てきました。 小さいですね。

CDプレーヤーの電源 その2
電源回路図 電源基板

DC/DCコンバータICはOn Semiconductor社の「MC34063A」でした。 このアダプタ、自作マニアの間では有名みたいで、いくつかのサイトがヒットしました。 で、ご丁寧に回路図があったり、という事でありがたく頂戴しました。

今回は出力電圧、4.5Vということで図のように抵抗を2個変更しました。 これだけでOk。 簡単ですね。

USBコネクタなどいらない部品を取って線材を接続して、電源基板の完成です。

差動アンプ 失敗
差動アンプ回路図 失敗 差動アンプ 失敗 差動アンプ 失敗

アンプからの出力がちょっと小さいのでオペアンプ1個で簡単な増幅回路を組むことにしました。 電源はACアダプタから取るのでグランドループが出来ます。 という事で、受け側を差動にして、グランドを切る事を考えてみました。

で、実際に作って、先のCDプレーヤー用の電源と共にケースに組み込み、動かしてみたのですが... ブーンと見事なハム音... あぁオペアンプ内で絶縁されているわけではないからなぁ... という事で失敗。

差動アンプ 修正
差動アンプ回路図 ケーブル 差動アンプ

さてどうしたものかと考えていたのですが... あ、ヘッドフォンアンプ、差動出力があるやん! という事で、そちらの端子を使って接続することを考えてみました。 また電源も綺麗にしようと、出力電圧可変タイプのLDOを追加しました。 ついでに増幅率ももう少し大きくしました。

回路図を直して、基板も直して、接続用にキャノン-ミニジャックのケーブルも作成しました。

で、ケースに組み込み、動作確認。 結果は... まぁ少しノイズは乗ってますが、全然気になるレベルではないので、趣味の工作としてはOk、Ok。 バッチリです。

ケースに組み込み
差動アンプとCDプレーヤー用電源 差動アンプとCDプレーヤー用電源

すでにケース加工も済んでおり、動作確認のためにケースに組み込んでいましたが、最終的に写真のように完成しました。

メインの電源スイッチの他に、シーケンサとCDプレイヤーは同時に動作させることが無いので、スイッチで切り替えられるようにし、またどちらの出力があるか分かるようにLEDもつけました。 ちょっと小さいケースを選んだので、中はギュウギュウですが、コンパクトに仕上がりました。

完成、と思ったら...
パターン切れ

ケースに組み込んだ差動アンプ、CDプレーヤーの電源のユニット、ヘッドフォンアンプ、ポータブルCDプレイヤー、シーケンサ、PCを自作ケーブルや既成のケーブルで接続してようやく完成しました。

と思ったら...

ヘッドフォンアンプの電源が入ったり切れたりと不安定。 ACアダプタの入力端子がグラグラしてるので、もしや、と思い分解してみると... 見事にパターン切れでした(写真の一番左側のパターン)。 なんと言うか、教科書通りの不具合です(笑)。 という事で半田付けして修正。

今度こそ...完成!
完成

再び、全ての機材を接続して...今度こそ本当に完成しました。 ちなみに棚は夏に廃材を使って適当に作った物です。 またヘッドフォンアンプの下の段にあるのは以前に作成したオーディオレベルメータです。

さて、なんだかこれですっかり満足してしまいましたが(笑)。 練習、練習っと。


©みぞ