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「にぎやか アンパンマン」の修理

Update : 2011/7/4

例えば、踏み切りの絵が描いてある部分を押すと、踏み切りの音が出る。 そんな「まちのおと」の絵本、というか玩具。
息子が喜んで遊んでいたのですが、ある日...ビリリリリッ! あー、また破った、と思ったら...
なんと裏側の電極シートスイッチまでビリリリリ...と、大変なことに!(笑)

という事で、基板、タクトスイッチなどを買ってきて修理してみました。


まちのおと
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破れてしまった音の出る絵本。 みんな楽しそうに耳を澄ましてるんだけど...

もう音はでない...

分解
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絵本の裏側には電極シートのスイッチが。 なるほど、表の絵を押すとこれがOnするんだな。

本体側はなんとシンプルな。 スピーカと電池と樹脂で封印されたICの載った小さな基板。 で、電極から来ているケーブル部分が見事に破れている。

さてどうやって直そうか... 電極シートはつなげられないし、電極シートの自作なんて出来ないし...

調査
キーマトリックス 寸法図

結局、基板にタクトスイッチを乗せて配線することにしました。

まずは電極シートがどのような接続になっているのか調査。 何のことは無い、ただのキーマトリックスでした。 キーマトリックスが何か、と言うと...この辺りを見てください。 少ないI/Oポートで多数のキースイッチの状態を調べる定番の方法ですな。 寸法も調査して図面作成。 これであっているはず...多分。

左図をクリックすると大きく表示します。

基板にタクトスイッチ
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タクトスイッチは行きつけの電気屋さん(笑)で売っていたので購入。 基板はと探したのですが、なかなかこの大きさは無く。 結局、秋月電子通商で購入しました。 基板は\650、送料は\500(笑)。

で、寸法図に沿って基板をカット、部品を配置、配線、半田付け。 本体との接続は作業が楽なようにコネクタにしてみました。

すべて配線、半田付けが終わった後は動作確認。 おー、ちゃんと音が出た。 パトカーの絵に対応するスイッチを押すとパトカーの音がするから図面も配線も正しかったようです(笑)。

後は、これを絵本として固定する作業だなっと。

固定作業 その1
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まずはボール紙で土台を作成。 次に東急ハンズでみつけた厚さ2mmのちょっと堅めのスポンジ状の板で基板の枠を作成して強力タイプの両面テープで土台にペタリ。

基板は裏面に配線があるので、ボール紙で下駄をはかせてっと。 こちらも貼り付けは強力タイプの両面テープ。

で、最後に土台に基板を装着して第一段階終了。 先は長いぞ(笑)。

固定作業 その2
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土台に装着した基板のコネクタと本体からの線材を接続、さらに絵本に土台を接着剤でくっつけて合体完了。

次に、同じく東急ハンズでみつけた今度は厚さ6mmのちょっと堅めのスポンジ状の板でスイッチ部分をくり抜いた枠を作成し、両面テープでペタリ。

だんだん形になってきたかな?

固定作業 その3
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スイッチにかぶせるカバーとして、ボール紙で左の写真の様なパーツを作成。 出っ張りがタクトスイッチのボタン部分と触れるようになるんです。 しかしスイッチは12個あるんで大変(笑)。

で、スイッチの部分は小さく切ったスポンジで上下を埋めていきます。 固定はやっぱり両面テープで。 こちらも12箇所あるんで大変、大変(笑)。 このスポンジがバネになるんです。

で、さきほど作ったカバーを両面テープでスポンジにペタペタくっつけていきます。

最終工程
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思ったよりもスイッチの部分が飛び出てしまったので、ボール紙でスイッチ部分をくり抜いた枠を作り、貼り付けました。 高さ調整ですね。

また、ボール紙やスポンジを何層にも重ねているのでサイド面に薄い紙を接着し、見た目を良くしました。 まぁ多分、遊んでいるうちにボロボロになるでしょうけどね(笑)。

さて、いよいよ完成です。

完成!そしてタイミングは重要
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最後に絵本を貼り付け完成! ちょっと強めに押さないといけないけれど、無事音が出るようになり、かつての楽しい、賑やかな「まちのおと」が聞こえてきました。

で、息子に直したよ、と渡したのですが... 夜、寝る前に渡してしまったため、なかなか布団に入らず夢中になって遊び始め... 妻に「あ〜ぁ、渡すタイミング間違えたね...」と... でもまぁ、翌朝も楽しそうに遊んでいたので直した甲斐がありましたっと。

蛇足ですがこの本、1400円で買えます。 で、今回の修理にはなんだかんだでその倍くらいお金がかかっていたり(笑)。 でもまぁ、私も修理で楽しめたのでこれで良いのです。

おしまい。


©みぞ