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ACアダプタ用フィルタ (危険!)

Update : 2014/10/8

ACアダプタを購入し、Studβのミキシング回路に使用したのですが...ノイズが気になるのでフィルタを作ってみました。

このフィルタはコイルとコンデンサで構成されています。
コイルとコンデンサの共振により、入力電圧より出力電圧が大きくなる場合があります。
最悪の場合、接続先の危機を破壊する可能性があります!


と言う事で、自己責任でお願いします。 こんなのもありますよ。 プラグ手前の膨らみ、中身はトロイダルコイルらしいですが。


シミュレーション 1
回路図 理想素子、周波数特性 理想素子、ステップ応答

ここを参考にしてみました。 トロイダルコイルとコンデンサのシンプルなフィルタで、コイルをグランド側にも入れてるのがポイント。 と言ってもコモンモードではなく、あくまでノーマルモード。

コイルとコンデンサの共振が気になったので、製作の前にちょっとシミュレーション。 シミュレータは、最近愛用しているLinear Technology社のLTspice IV。 部品の定数は入手できそうな物、と言う事で、トロイダルコイルはで100uH、コンデンサは2200uFとしました。 供給電源は9Vで負荷は100mA流すと言う事で90Ωの抵抗負荷。

まずはコイルとコンデンサが理想素子でシミュレーションしてみると... 共振周波数はおおよそ230Hz位で、その時、30dBを超えます(笑)。 ステップ応答も派手に振動しておりピーク時で18Vにまでなってます。 また、収束まで1秒ほどかかってます。 うーむ。

シミュレーション 2
実際の素子、周波数特性 実際の素子、ステップ応答

シミュレーションの続き。

実際にはコイルやコンデンサに抵抗成分などがあるので、実際に近い状態、と言う事でコイルの等価直列抵抗成分を20mΩ、コンデンサの等価直列抵抗成分を100mΩにしてシミュレーションしてみました。 ピークは低くなりましたがフィルタとしての性能は劣化してますね。 ステップ応答はピーク時で13.5V程度、20m秒ほどで収束してます。

と言う事で、入力電圧より出力電圧が大きくなる可能性があるので、それが接続先の許容電圧を超えていれば、その製品は壊れるかも。 危険だ〜(笑)。

製作開始
ケース、基板

なるべくコンパクトにと、小さなケースを選び、小さな基板に部品を配置しています。 入力側はジャック、出力側はプラグのついた線にしました。

出力側の線材は先にケースの穴を通しておかないと悲しい事になります(笑)。

基板へ部品を取り付け
基板裏面 基板裏面のクッション

基板の裏面は写真のような感じです。 プラス側、マイナス側、配線長は大凡同じになってます。

ケースへの固定はネジ止めも考えたのですが、結構基板がケースにキチキチだったので、半田付け箇所以外にスポンジを張って両面テープで固定にしました。

ケースへの組み込みと仕上げ
ケースに組み込み コイルのシールド

両面テープで基板をケースに固定した後、入力側ジャックを取り付け、プラス、マイナスを間違えないように、コイルへの線を半田付けして完成です。

出力側の線材部分にはインシュロックタイで簡易的にコードストッパーをつけています。 コイル間は隙間が空いてますが、振動などで擦れたりして、最悪ショートすると危険なので、スポンジのシートを差し込んでおきました。

完成!
完成

ケースのふたを閉めて完成!

効果のほどは... Studβのミキシング回路の電源で使用してみたのですが、プレジョンピックアップからのノイズが大きくてよくわかりませんでした。 でも、きっとよくなっているはず(笑)。

測定器があったらきちんと測定してみたいなぁ〜。


©みぞ