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Studβ 改造 その5

Update : 2014/10/14

一応完成したエレクトリックアップライトベース「Studβ」。
前回、2つのピックアップをミックスするためにBOSSのラインセレクタ―を使用しましたが、
持ち運ぶ機材はなるべく少なくしたいので...
と言う事で、二つのピックアップからの信号をミックスする回路を作って組み込んでみました。


元々のStudβ
Original Amp Original Amp Hole

元々のStudβはピエゾピックアップで、その信号を増幅する回路がボディの裏側に装着されていました。 ピエゾピックアップは壊れてしまい、もう使う事は無いので、この跡地に2つのピックアップの出力をミキシングする回路を組み込むことにしました。

ミキシング回路
回路図 周波数特性 FFT 100Hz

今回製作するミキシング回路です。 ピックアップからの出力を高インピーダンスの非反転増幅回路、ミキシングレベル調節用ボリュームを通った後、反転加算回路でミックスして出力します。 ボリューム最大で少しゲインを持たせてみました。 ゲインは2.87dBです。 電源は、DC9Vでオペアンプは片側電源で動かします。 オペアンプはネットでいくつか良さそうなものをピックアップし、お店に在庫があったTI社の「NE5532P」にしました。

製作前に、電子回路シミュレータで特性を確認してみました。 シミュレータは、Linear Technology社のLTspice IV。 今はこういうのがフリーで使用できるんですよね。 さすがにLT社のソフトにTI社の「NE5532P」のデータは無いので(笑)、ネットで拾ったスパイスモデルを組み込みました。

周波数特性は20Hzから20KHzで大体フラットになる感じで、まぁこんな感じかな、と言うところです。 それと、全高調波歪率もシミュレーションできるらしいとネットで知ったのでやってみました。 やり方は簡単で、トランジェント解析で正弦波出力させて、それをFFTします。 グラフでは高調波が表示されますが、ログファイルにはFFTの結果の最後にTHDが記載されます。

で、結果。 ベースと言う事で100Hzでやってみました。 100Hzは1弦解放ちょっと高めかな。 まぁ綺麗なもので、THD=0.001496%でした。 あくまでもシミュレーションでは、ですな。

製作
Mixing Amp Mixing Amp Mixing Amp

回路が決まれば部品を集めて製作開始です。 今回、取り付けるスペースが厳しく、かなり高密度になりました。 ピックアップとの接続コネクタはミニジャックにせざる得なかったです。 と言う事でピックアップーミキシング回路間は専用ケーブルを作ります。

オペアンプはソケットにしているので、オペアンプを取り替えて音色の違いを楽しめます(笑)。 ミキシング用ボリュームもあるので、基板裏側は線材で飛ばすのが多くなってしまいましたが、部品レイアウトやパターンを事前にしっかり考えて、中々良い感じに実装できたと自画自賛(笑)。

完成
StudB with Mixing Amp StudB with Mixing Amp StudB with Mixing Amp

組み上がった回路をチェックしていよいよ音だし。 あれれ...いくつかミスをしていて、なかなか正常動作になるまで苦労しましたが、ようやく完成!

と言う事でStudβ裏側に装着。 上手く穴に収まり、ピックアップとも自作専用ケーブルで接続。 ボリュームのつまみは適当にあったのをつけてみました。 電源はACアダプタを想定していたのですが、ACアダプタのノイズがひどいので、横側に9V角電池ソケットを取り付け、そこから供給するようにしました。

これでBOSSのラインセレクタ―を持ち歩かなくても、2つのピックアップをミックスする事が出来るようになりました(笑)。


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