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Studβ 改造 その8

Update : 2022/7/6

ネットをフラフラしていると、ギター用の光学式ピックアップと言うのがあるのを発見。
仕組みは単純そうで、Studβにも使えるかも、と思い、作って組み込んでみました。


光学式ピックアップ
実験用回路

久しぶりのStudβ。 今回のピックアップネタは光学式ピックアップです。 赤外LEDの光の弦振動による揺れを、フォトセンサーで検出して電気信号に変換する仕組みです。

ポイントは1本の弦につき、赤外LEDとフォトセンサーの組を2組実装している事です。 さらにこれらは、互いに反対向けに実装し、差動増幅します。 こうする事により、自然光による揺れはキャンセルし、弦振動はしっかりと捉える事が出来ます。 言わばハムバッカーの光学版ですね。

実験
実験 実験

まずは実験用の回路を組み立てました。 余っていた木材で台を作り、基板を設置。 その上に輪ゴムの弦を張りました。

いくつか回路にミスはありましたが、最終的に綺麗に弦振動が検出出来るようになりました。

回路図
回路図

実験を元に再度、回路を検討しました。 光学式ピックアップはStudβで弱い1,2弦のみに使用する事を考えているので、実験と同じく2本分です。

仮想グランドを強化し、各弦の出力はミキシングして出力するようにしました。 また赤外LEDとフォトセンサーは2個1の部品に変更しました。

基板
生基板 生基板

基板は弦の近傍に設置するため、なるべく小型にしたいなと思い、専用に基板を起こしてみました。 「電源基板の製作」で電源基板たちに紛れ込ませました。

面実装部品にすればさらに小型に出来ますが、部品の入手や実装を考え、挿入部品にしました。

部品実装
基板 基板

部品を実装しました。 当初の予定から変更して、ケミコンは全て横に倒すように設置しました。 なので、A面に実装とB面に実装があります。 この辺りは手作業なので自由に出来ますね(笑)。

また、各弦のレベル調整用のボリュームは、Studβに設置後も調整できるようにB面に実装しています。

修正
修正回路図

実装した基板の動作確認をしました。 が、出力が電源に張り付いて音が出ません。 なんで???と思い調査。 ボリュームの後でDCカットしてませんでした。

と言う事でパターンを切ってケミコンを挿入して修正。 無事に音が出るようになりました。

'22.7.6追記。 R422を10KΩから24KΩへ変更しました。

ケーブルの取り付け
基板とケーブル 基板とケーブル

ピックアップ基板とミキサーの接続。 これまでのピックアップはパッシブだった事もあり、ミキサー側はモノラルジャックで受けています。 つまり信号とグランドの2本の信号だけで、2芯シールドケーブルでした。 今回はそれらに加えて電源が必要です。

と言う事で、ピックアップ基板からは3芯シールドケーブルで、ミキサー側は信号とグランドはモノラルジャック、電源はバナナジャックで接続するようにしました。

ミキサーの改造
ミキサーの改造 ミキサーの改造

ミキサー側も改造が必要です。 ケースを開けて、スペースが取れそうな所にバナナジャックを取り付けました。 既にある線材に気を付けて慎重にケースに穴を開け、ジャックを取り付け、線材を半田つけ。

なかなか上手に出来ました、と自画自賛です(笑)。

フレーム
フレーム

ピックアップ基板を取り付けるフレームは前回のマグネティックピックアップと同じく厚さ1mmのアルミ板を折り曲げて作りました。

ボディーに固定する穴と基板を固定する穴、さらに音量調節用ボリュームのための穴を開けて完成です。

調整
調整 調整 調整

フレームにピックアップ基板を取り付け、ボディーにフレームを仮止めして、実際に音を出しながら赤外LEDとフォトセンサーの位置を調整します。

寸法を間違えたのか、弦の間隔と合っていないので、赤外LEDとフォトセンサーのカバーを取り去り、リードを曲げて強引にあわせました。

完成!
完成 完成 完成

調整を繰り返し、ようやく完成しました。 で、その音をPCMレコーダーでライン録りしてみました[]。 各弦の音量のバランスが良くなり、ノイズも少ないので満足です。

今回は久しぶりにオリジナルの基板を作ったのでコンパクトに出来ましたが、回路が間違ってたり、寸法が間違ってたりと山あり谷ありな製作でした。

しかし最近、マグネティックピックアップを自作したいという欲求がふつふつと... と言う事で、続く!のか?


©みぞ