もう何年前か忘れるくらいに昔に買った、カーステにiPodを接続と充電するケーブル。 HDDをSDカードに置換した第4世代のiPodと合わせ、車内で音楽を楽しんでいたのですが... 最近、ノイズが多くなってきたのと、シガーソケットに差し込む部分の温度が高くなってきたのが気になりだしました。

まぁ寿命と言われても納得の使用年月ですが、iPodがDockコネクタからLightningに変わったこともあって、なかなか代替品がありません。 と言う事で、自作してみました。

ネットで見つけて購入しました。 しかし、基板が無いので0.5mmピッチのコネクタ端子に線材を半田付けするのは至難の技です...

ちょっとしたこうさく その3にも載せましたが、お勉強も兼ねてオリジナル基板を作成しました。 回路はイロイロな方が作成されているのを参考にしました。 ポイントはR4を1MΩにする事です。 この定数にしておくと、車のキーをオフした時、つまり電源の供給が止まった時、iPodの再生が停止しスリープ状態に移行します。

ツールはフリーのEDAソフトである、KiCadを使用しました。 基板は板厚1.0mmならば、コネクタの端子間にちょうど挟まりそうなので1.0mmに設定して、フットプリントも自作しました。 チップ抵抗は1608サイズです。 1005だと老眼の私にはもう見えません(笑)。

で、アートワーク完了後、スイッチサイエンスへ発注してと、思ったよりも簡単にできました。

3週間ほど待ってようやく基板が入荷したので、早速組み立てました。 チップ抵抗の半田付けも頑張りました(笑)。 ケーブルはUSB、オーディオそれぞれ別のシールドケーブルです。

早速、動作確認しました。 シガーソケットからの電源アダプタは100均で買った物を使用したのですが、サーと言うノイズが予想以上に大きく気になります。

取りあえず電源強化、と言う事でコンデンサを追加していました。 行きつけの電気屋さんで日本ケミコンの導電性高分子アルミ固体電解コンデンサが売っていたので購入。 470uF/16Vです。 さらに写真では見えませんがリード部分に0.1uFのセラコンも付けています。

また、USBケーブルのシールドをコネクタのシールドに接続しました。 コネクタのシールドはアルミなので半田付け出来ないので、スーパーXで接着です。

電解コンはデカいのでケースに穴をあけました。 そして基板を装着。 剥き出しのコンデンサが如何にも自作、という感じです(笑)。

さて、これでノイズが消えると良いのですが...

今まで100均で買ったUSBシガーソケットをちょっと並べてみました。 ひょっとしてノイズの違いがあるかも、と思ったらドンピシャ。 物によってノイズの大きい小さいがはっきりと出ました。

右側の2つは昔に買った物ですが、ノイズが大きめでした。 その横の白色のは100均なのに300円した2.1A対応品なので期待しましたが、ノイズが大きくガッカリでした。 一番良かったのは左側の最近購入した物でした。

これでほとんど気にならなくなったのですが、アクセルを踏むと、連動してノイズが聞こえるようになりました。 うーん、まだ対策が必要なようです。

ネットでイロイロ調べてみると、シガーソケットとカーステ間のグランドループで、オルタネーターからのノイズを拾っているようです。

と言う事で、グランドループを切る必要があるのですが、方法は2つ。 1つはシガーソケットを絶縁型のDC/DCコンに変える事、もう1つはオーディオラインにトランスを入れる事です。 まずは簡単な後者から、と思ったのですが、トランスが入手できない！ しかも市販品の方が自作するより随分と安価。 と言う事で、今回はポチっとしてしまいました(笑)。

カーステの入力端子が特殊なので、変換ケーブルは新たに自作です。

いよいよ動作確認。 この瞬間は毎回ドキドキします。 そして結果は...見事にノイズが消えました！ しかも電源強化したのが効いているのか、以前より低音が締まった感じがします。

これで車内音楽環境がグーンと良くなりました。 第4世代のiPodもまだまだ活躍です(笑)。